記事を書いた人:町田菫
コロナ過をきっかけに増えているといわれているパパ活。
その裏でパパ活がきっかけとなる病気やトラブルも増えているようで、そのうちの一つが梅毒なのです。
一緒に梅毒や性病の危険性をきちんと理解していきましょう。
あなたは梅毒って聞いたことありますか?
感染者数が急増しており、2022年にはなんと1万人を超えました。
1万人と言われても、どの程度多いのかわからないという人も多いと思いますが、10年前の2012年の患者数は875人。
なんと10年でおよそ15倍に増えているのです。
なぜそんなに急増しているのかというとどうやらSNSやパパ活が影響しているそうなのです。
今回は、そんな今患者が急増中の梅毒について、パパ活との関係も含めてご紹介していきたいと思います。
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梅毒ってどんな病気?
梅毒とは、性感染症の一種であり、Treponema pallidum(トレポネーマ パリダム)というバクテリアによって引き起こされる感染症です。
主に性的接触を通じて感染することが一般的なんですが、妊娠中に感染した場合、母体から胎児にも感染してしまうこともあるそう。
梅毒は3つのステージに分けられる
梅毒の症状は、通常3つのステージに分けられます。
初期ステージでは、感染部位に発疹や潰瘍が現れることがありますが、痛みやかゆみは軽度。
中期ステージでは、全身の発疹、リンパ節の腫れ、発熱、疲労感などの症状が現れ、適切な治療が行われない場合、梅毒は潜伏期に入り、重篤な合併症を引き起こす可能性があるのです。
詳しく説明していきましょう。
第1期
感染から1か月程度の期間を第1期といいます。
リンパ節が腫れたり感染した部位に小さなしこりが現れますが、このしこりに痛みはなく、治療をしなくても消え、その後しばらく無症状の時期が続き、感染に気づかないことも多いです。
第2期
感染後、数カ月が経過した状態を第2期といいます。
この時期の特徴的な症状として「バラ疹」と呼ばれる赤い花びらのような発疹で、特に手のひらや足の裏に多く現れます。
その症状は蕁麻疹やアレルギーといった他の皮膚病と似ているため、間違われることも多いようです。
この「バラ疹」以外にもさまざまな皮疹が現れますが、患者さん自身が気づかないということも少なくありません。
こういった皮疹も自然消失するのですが、自然治癒はしないため、長い潜伏期に入ってしまいます。
第2期の症状の現れ方には個人差が大きく、発熱や関節痛などを感じるケースも。
さらに、この第1期~2期は感染力が強いため他の人にうつすことが多いです。
第3期
感染後2年以上経過した状態を第3期といいます。
この頃になると皮膚や筋肉、骨、内臓にゴムのような瘤(ゴム腫)ができます。
この腫瘍は増殖しながら進行して、周辺組織を破壊していくのです。
昔は「鼻が落ちる」と言われ、恐れられていた容貌の変化が起こるのがこの時期です。
また、感染から10年以上経過した段階を末期梅毒と言います。
脳や血管、神経にトレポネーマが侵入して、さまざまな機能障害や認知障害、進行麻痺などを引き起こし、妄想や人格の変化が見られることも多いのです。
また大動脈瘤等もできやすく、これが破裂すると突然死を起こしてしまいます。
第3期以降の時期は、家の片付けや掃除、自身の身だしなみなどにまったく無頓着になることが多いため、周りに驚かれることも。
しかし、このステージになるまでに症状がいくつも現れるため、現在、第3期まで進行するケースはほとんどありません。
梅毒って治るの?
飲み薬か治療薬の点滴で治療ができます。
梅毒は、早期に診断、早期治療が始まると、梅毒は完全に治癒することができる病気です。
ただし、梅毒が進行した場合や適切な治療が遅れた場合は、治療がより長期にわたる可能性があります
さらに第3期以降になると治癒は難しくなってしまいます。
そのため、発疹など少しでもおかしいなと感じたら、すぐに検査をしてみてください。
治療法は?
梅毒の治療には、抗生物質が使用され、一般的な治療法は、ペニシリン系の抗生物質の注射が行われます。
治療期間は梅毒の進行段階や病態によって異なりますが、通常は数週間から数ヶ月にわたります。
治療後は、定期的な追跡検査が重要であり、梅毒の再発や治療効果の確認が行われます。
治療費用は、3000円程度が多いようです。
梅毒は、早期の診断と適切な治療が、梅毒の完全な治癒を促進する鍵となります。
ワクチンはあるの?
梅毒のワクチンはありません。
そのため、自分で予防をするしかないのです。
先ほど記載したように、感染力が強い病気なので注意が必要となります。
妊婦の女性がかかるととても危険
とはいえ、早く治療すれば治るんでしょ?と思う人もいますよね。
健康な成人であれば、早い時期から適切に治療すれば問題ありません。
しかし、妊婦さんが感染するととても危険。
妊婦さんが感染している場合は胎盤を介して母子感染し、胎児にも影響が出てしまうのです。
梅毒が増えてきたことをうけて、ドラマ化もされた大人気の漫画「コウノドリ」の梅毒のストーリーだけ、限定で無料公開され、話題となっていましたね。
妊婦さんが梅毒に感染していた場合、流産や死産、先天性梅毒児(梅毒が胎児へ感染した状態で生まれてくる)が発生する場合があります。
胎児が先天性梅毒にかかってしまうと、出生後に目や耳、肝臓などに障害が出る可能性があり、梅毒に感染した母親が治療を受けていない場合は約50~80%と高い確率で胎児への感染、さらにその中の約40%が死亡するとも言われていて、胎児にとってはとても怖い病気なのです。
奥さんが妊娠中に、旦那さんがパパ活で他の女の人と性的な関係になり、奥さんにうつしてしまったら…。
奥さんが妊娠中の旦那さんは、パパ活はもちろん風俗店も利用しないようにしましょう。
梅毒の感染経路は?
さきほど梅毒の症状や治療法を紹介しましたが、感染経路は一般的には性的接触が主な感染経路になっています。
今までは、性風俗産業を介して感染することが多く、風俗が原因と思われがちでした。
ただ、自分自身に思い当たる節がなくても、パートナーがこっそり風俗に行っていて、パートナーから感染してしまうケースもあります。
また、最近、マッチングアプリやSNSを介した出会いってとても増えていますよね?
そういったアプリやSNSで不特定多数の人と性行為をする人も増え、そういった行為を介して感染する人もいるのです。
キスだけでもうつるって本当?
実は梅毒はセックスだけでなく性的な接触すべてが含まれ、粘膜や皮膚から感染します。
「性的接触」というと、コンドームを付けたら防げるのでは?とか、そもそも挿入をしなかったら大丈夫と思っている人もいるかもしれません。
確かに、コンドームをすることで感染リスクを下げることは可能ですが、完全に防ぐことはできません。
それだけではなく、オーラルセックスやキスだけでも感染することもあるのです。
今や社会問題!パパ活での感染リスク
梅毒の症状や治療法をご紹介していきましたが、コロナ過でバイトが減ってしまったり、収入が落ちた人が増えた影響で、パパ活自体が増えているそう。
その中で、パパ活女子の中で梅毒が増えており、若い女性の感染リスクが高くなっています。
患者の中でも若い女性が急増中!
患者の内訳をみると20代の若い女性の患者が急増しているんです!
2022年の患者の内訳を見てみると、男性6割で女性4割でした。
これだけを見ると、「なんだ女性少ないじゃん」って思ってしまう人もいますよね。
女性の感染者のうち、約7割が20代だったんです。
梅毒は決して若い人だけにかかる病気ではありません。
男性は20~50代と幅広い年代に感染が広がっていたことと比べると、女性の7割が20代という数字がかなり偏りがあるとわかっていただけるのではないでしょうか。
さらに20代といってもほとんどが20歳から24歳の若い女性が多かったのです。
こういった数字を見ても、パパ活での性行為が一因になっていることが想像できますよね。
気軽に出会えることはいいことであると同時にリスクがあるということです。
さらにもう一つの原因と言われているのが、外国人の存在です。
2015年にはインバウンドの数がアウトバウンドを逆転しました。
その際、日本国内における梅毒患者数の推移をみてみると、その2015年前後から梅毒患者数の伸びがより顕著になっている傾向がみられたのです。
こういったことから、インバウンドで来日した者の一部が海外から梅毒を持ち込み、風俗店で働く女性に感染、その店を利用した男性客がさらに拡散という説もあります。
現在も日本は不況が続いているので、風俗で働いている女性も増えているようです。
それに性病ってセックスしなければ大丈夫と思って、口でするだけならとかキスだけならと軽く考えてうつってしまうパターンも多いかもしれないわね。
パパ活での感染リスクを下げるには?
ここまで読んで、心当たりのある人はそわそわしているかもしれません。
とはいえ、パパ活をやめたくてもお金が必要なため、やめられないという女性も少なくないでしょう。
治療法もあるし、予防もしておけば問題ないと思っていませんか?
そんなことはありません。
梅毒は意外と見逃されやすい病気で、気づいたら進行していたということもめずらしくないのです。
その原因の一つが、初期症状です。
繰り返しになりますが、梅毒の初期症状は、小さなしこり程度。
さらに痛みもなく、自然に消えてしまうため、気づくのが難しいのです。
進行して第2期に進んでも湿疹や発熱など。
アレルギーかな?風邪を引いたかな?と勘違いしても無理はありません。
感染する失敗の後では遅い!後悔しないための予防策
正しい知識がないと気付かないのが梅毒です。
そのため、気づいたころには進行してしまっているということも・・・。
自分には関係ないと思わず、少しでも気になる症状があれば病院を受診しましょう。
では、具体的にはどうしたらいいのでしょうか。
1つ目は、不特定多数の人と体の関係にならないこと
当たり前ですが、性交渉の相手が多ければ多いほど、梅毒にかかわらず、性病をもらってしまう確率が高くなります。
お仕事で男性の相手をしている場合はなかなか難しいですが、できるだけ特定のパートナーとだけ関係を持つのがいいでしょう。
また、女性の場合、避妊をしていても妊娠する可能性は0ではありません。
性病以外にも自分の身を守るために安易な性交渉は避けるべきです。
2つ目は、定期的な検査をうけること
会社員の場合、年に1回健康診断をうけなければなりません。
また、歯医者へ歯科検診に行ったりもしますよね?
梅毒や性病についても定期的に検査することで早期発見することができます。
とはいえ、検査なんてどこに行けばいいの?と思う人もいますよね。
すでに気になる症状がある場合は、女性は婦人科、男性は泌尿器科へ行きましょう。
検査だけであれば匿名で検査することもできるので、のちほど詳しくご紹介します。
3つ目は、病気に対して正しい知識をつけること
これは梅毒に限りませんが、なんとなくの知識やイメージだけで、「これくらい大丈夫だろう」とか「ほっといても治るだろう」と考えてしまう人が沢山いるのです。
そういった考えのせいで、気づいたときは手遅れにということも少なくなりません。
病気の種類や予防法、初期症状など正しく理解し、対処していきましょう。
もし見逃してしまったらどうなるの?
梅毒は進行状況によってことなります。
すでにお伝えしているように、梅毒は早期発見すれば完治します!
しかし、進行が進んでしまうと治療が難しくなってしまいます。
さらに自分だけではなく、パートナーがいる場合、大切な人に病気をうつしてしまうかもしれません。
命に危険が及ぶことも十分ありますので、甘く考えないことが大切です。
梅毒に感染しているかも?!そんなときは…
梅毒は診察と血液検査で判定することができます。
先ほど記載しましたが、すでに何かの症状が出ている場合は、女性は婦人科、男性は泌尿器科へ行くことをおすすめします。
しかし、病院に行く時間が取れない人や、病院に行くのは気が引けるという人、症状は出ていないが、感染してないか確認したい人には、病院以外でも各県の保健所で匿名で検査することが可能です。
検査の有無や場所は地域によって異なるため、気になる方はお住まいの地域の保健所のホームページなどで確認してください。
参考:保健所検索サイト
https://www.hivkensa.com/kensa/search
参考:梅毒に関するQ&A|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/syphilis_qa.html
また、無料ではありませんが、自宅でできる検査キットもいろんな会社から販売されています。
そちらも検討してみてください。
参考:性病検査キット
https://www.std-lab.jp/
梅毒以外にも性病はたくさん
今回は梅毒について紹介しましたが、性的な接触でうつう病気は梅毒だけではありません。
HIV感染症(エイズ)は有名ですが、そのほかにも
- 性器クラミジア感染症
- 性器ヘルペス
- 性器カンジタ
- A型肝炎
- B型肝炎
- 赤痢アメーバ症
などたくさんあるのです。
たとえばヘルペスと聞くと唇に現れるイメージがありますよね。
でもヘルペスになった人がオーラルセックスをすることで、相手にうつしてしまうこともあるのです。
性病セルフチェック
こういう症状がある人は、性病の可能性があるのでセルフチェックしてみては?
- おりものが多い
- かゆみがある
- 水ぶくれや湿疹がある
- 赤みが強い
- 匂いがきつい
- 下腹部の痛み
- 性器にできものがある
- かゆみがある
- 痛みがある
- 違和感を感じる
- 臭い
性病リスク・セルフチェックができるサイトもあるので、こういったサイトも参考にしてみてもいいと思います。
参考
「性病リスク・セルフチェック」
https://std-check.jp/
※あくまでセルフチェックなので気になる症状があれば早めに病院に行きましょう
パパ活で梅毒感染に関するまとめ
今回は、パパ活で急増中?の梅毒について、ご紹介していきました。
繰り返しとなりますが、梅毒って聞くと、「鼻がとれる」というイメージだったり、とても怖いイメージを持っている人も多いと思いますが、治る病気です。
もちろん、何もしなければ自然治癒はしません。
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梅毒は感染力が強い病気ですが、早期発見・早期治療すれば治せる病気です。
恐れすぎず、気になる症状があれば、保健所で無料検査をしてみることをおすすめします。
匿名で検査可能です。
特に妊娠中の女性は、予防や定期的な検査を心がけてください。
パパ活をしている人、しようと考えている人は、梅毒などの性病がうつる可能性も考えて行動してください。
予防をしっかり行いながら、パパ活を楽しみましょう!